PMC-05mk4 PMC-05mk2

 モバイルDJ用のPAジャンルに入る機材は、パーティーが盛んな欧米では昔から存在していた。そして、それらは業務用に分類されており、個人の趣味や、アーチストとしてのクリエイティブなDJ用機材ではなかった。PA仕事的なDJ機材ではなく、表現したり、演奏する創作的なDJが使う為の専用ミキサーを先駆けて作ったのがベスタクス社である。このコーナーでは、そのベスタクスの昔の機材を一台一台、クローズアップし、紹介致します。また、その内容は情報をキャッチ次第、随時更新します。
 機材と音楽シーンは密接な関係があり、シーンの要求で機材が進化することもあれば、逆に、機材の進化が先でシーンが後からできる事もあります。時に、機材メーカーが意図する使われ方をされずに、違う使われ方をして新しいシーンが生まれる事もあります。道具(機材)を作る側と、それを使う側(DJ)が共に歩んだ歴史を探るような見方で、このコーナーをご覧いただければ、何か新しい発見があるかもしれません。温故知新コーナーです。

VESTAX PMC-05mk4

PROFESSIONAL MIXING CONTROLLER

ベスタクスPMC-05mk4 名機PMC-05PROの影にこのモデル有り!
 
世界的に、パフォーマンスプレイの新しい歴史を生んだPMC-05PROミキサー。そのミキサーの発売と同時期に販売されていた廉価版モデル的な位置付けだったPMC-05mk4。
 PMC-05PROの誕生があまりにも華々しく、その影に隠れあまりクローズアップされなかったPMC-05mk4。しかし、このPMC-05mk4ミキサーには、多くのノウハウと新たな提案機能が詰まっていた凄いミキサーでした。このミキサーこそ、歴史に残るミキサーPMC-05PROの企画設計の基本を取り込んだお手頃ミキサーとして隠れた名機だったです。

製造工場:日本
製造時期:調査中
価格¥36,000.-








 基本はDJトリックスモデル
 この前型番のモデルである「PMC-05mk3」と、このモデルの間に、実はDJトリックスシグネチャーモデルの「PMC-05TRIX」がその進化の過程にある。シンメトリックレイアウトと、中央のレベルメーターをベースに、このモデルでは、次のような新機能が新しく搭載。







1.ツインパネルの採用
 使用頻度が多いため消耗が激しいクロスフェーダーが交換式になったのは便利でよかったが、そのパネルを止めるネジに操作する指の爪が引っかかるというDJの声が反映された。トップパネルをツインにすることで解決。上の右の写真が、トップパネルをはずしたもの。
 トップパネルは、それまで、鉄板の黒塗装が基本だった機器分野に対して、ステンレス材料を使い、しかも横方向にヘアラインを施している、パネルを抜いた後に一枚一枚、ベルトサンダーでラインを入れるという手間が掛かる方法をあえて採用している。このやり方は、同一の模様を再現するための管理が難しく、町の職人的な工場で一枚一枚丁寧に加工された。

2.入力切替スイッチのデタッチャブル化と方向選択
たて・横・斜め45度にセットできるスイッチ取り付け構造ユーザーが交換できる
 トリックスモデル・PMC-05PRO3では、たてフェーダーとインプット切替スイッチとのコンビネーションの必要性から、インプット切替スイッチは、縦方向で、上に上げるとフォノ、下でライン入力。しかし、クロスフェーダー同様に左右方向でその切り替えたいというDJが再び増え、両方に対応できるようになった。そして更に、なんと斜め45度の取り付けも可能に。







3.ターンテーブルのアースターミナルが二つに

 2台のターンテーブルのアース接続がやりやすいように、2つのアースターミナルが装備された。その背景には、DJミキサーを現場に持ち込んでのプレイや、ディスコ・クラブでのミキサーの入れ替えがプレイスタイルによって行われるようなり、早いセットアップが要求されるようになったことがある。








4.ヘッドホン端子の強化

 クラブプレイでは、ヘッドホンを使うが、いざスクラッチパフォーマンスプレイになると、ヘッドホンの線やヘッドホンそのものが邪魔になるので、ジャックからヘッドホンを外す。ヘッドホンの抜き差しが多くなり、また、つけたままパフォーマンスしてヘッドホンジャックに体がぶつかりジャックに負担がかかるようになったため、ジャックの修理が増えてきたことが背景にある。また、「ボディートリック」が最高にはやった事も有り、その時ヘッドホンが邪魔になった。そこで、金属のワッシャで筐体にしっかり止めるタイプの金属ジャック部品がこのモデルから採用された。しかし、この方式は、後々、PMC-05PROで、ある問題が発生する原因となる。



丈夫になったレバースイッチモニター切替スイッチも金属化5.レバースイッチ類の強化

 それまで、黒いプラスチックの切替レバースイッチを使っていたが、折るDJが増加したため、サンセイ製の金属レバーを採用されている。入力切替だけでなく、モニター切替も同様。





ノブにもこだわった!6.フェーダーノブの基準

 クロスフェーダーとたてフェーダーのツマミ(ノブ)が、大きくなり、操作性がアップした。今のベスタクスの基準である「スピードノブ」の原型がこれである。





CF-05mk4が交換フェーダー7.ウルトラスムースフェーダーの始まり

 現在、CF-RUSという交換フェーダーパーツがあり、このUS(ウルトラスムース)は、実は、このモデルで始めて登場した。フェーダーそのものは、いまのものと同じなのである。耐久性を持ちながらも、動きが滑らかにしたもので、PMC-05mk4の交換フェーダー型番は、CF-05mk4となり、現在のVMCミキサーシリーズの交換フェーダーそのものである。まだ、他のモデルで、この部品は活躍しているのである。ちなみに、交換フェーダー部品のCF-RUSと、CF-05mk4の違いは、パネルの厚さがちがうだけ。






シンプルなPCB設計
トップパネルの下のサブパネルも外したところ






PMC-05mk4 ヒップホップDJミキサー その時代の様々な背景があり、このミキサーは、誕生した。多くの現場の意見や、サービス部門のフェードバックがあり、多くの工夫がされている。そして、更に当時新しく来ようとしていた流れを予想するかのように、歴史に残る名機ゴールドパネル「PMC-05PRO」が発売となる。














PMC-05mk4 (2007・11・17 web up)

アーカイ部

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